【健康食品・食品添加物】粉末飲料を飲みやすく!増粘剤の種類と選び方〜本当は教えたくない健康食品開発のコツ〜

目次

はじめに

この記事を読むことで、健康食品・粉末飲料開発担当者を主な対象に、
・粉末飲料開発時のお悩みを改善するヒントを得られる
・特定の食品添加物の種類、選び方を知ることができる
というメリットがあります。

具体的には、健康食品業界歴10年超の食品開発技術者が、現場での経験をもとに
・粉末飲料開発で、よくあるお悩み「飲みやすさ」
・食品添加物・増粘剤の効果
・粉末飲料で利用する増粘剤(※)の事例と解説(キサンタンガムとグァーガムを例に)
・増粘剤の選び方と注意点
を説明します。

なお、健康飲料には、剤型別に分けると、大きく①粉末飲料、②液体飲料の2つがあります。
本記事では、食品技術者である私が健康食品開発での経験をもとに説明します。そのため、私が多くの実績がある「粉末飲料」について説明します。

※「増粘剤」に似た用語に「増粘安定剤」があり、注意が必要です。
本記事では、食品への用途名表示として利用するため、「増粘剤」に統一して表記する


担当者

自社の粉末飲料をもっと、飲みやすくできないかな?
ざらつきがあるんだよな。

味づくり塾

そのお悩みの解決方法に「増粘剤」があります。
そのざらつき、もっと飲みやすくできるんです!

担当者

飲みやすくできるんですか?

味づくり塾

はい!
私が健康食品業界での商品開発の経験をもとに、粉末飲料を飲みやすくするコツを解説していきす!

粉末飲料開発で、よくあるお悩み「飲みやすさ」

粉末飲料の開発では、「飲みやすさ」に関するお悩みが多いです。
「飲みやすさ」には、味や風味、飲み込む感覚など、様々な条件があります。
商品自体と飲み手の感覚など、複合的な要因があります。
ここでは、次のような商品に関する「物理的な」お悩みを取り上げます。

  • 粉末飲料を飲み込むときに、のどに「あらさ」を感じる
  • 飲料を飲んだはずなのに、むせる
  • 舌の上で、ざらざらした感じがする

このような物理的な飲みやすさには、増粘剤の利用で効果が期待できます。

食品添加物「増粘剤」とは(増粘安定剤とは)

増粘安定剤に関連する用語を表にまとめる(参考文献:食品添加物表示問題連絡会・一般社団法人日本食品添加物協会「新 食品添加物表示の実務2022」)

用語定義
増粘安定剤食品の粘度の増強、乳化の安定化、ゲル化などの機能により、食品の組織を形成し、または品質の工場の目的で使用される添加物をいう。

表示の方法において、

名称使用するケース
増粘剤食品に粘性を付与するために使用したとき
安定剤食品の乳化、分散状態を保持させるために使用したとき
ゲル化剤果汁、乳等をゼリー化するために使用したとき
糊料増粘剤、安定剤又はゲル化剤の目的で使用したとき、あるいは区別が明確でないとき
増粘多糖類用途欄に増粘安定剤とある多糖類を2種類以上併用する場合には、簡略名として「増粘多糖類」を使用することができる


「増粘安定剤」については、食品への使用目的分類を示す用語であり、食品への用途名表示には使用できないので、注意が必要である。

食品添加物「増粘剤」の効果〜なぜ増粘剤を使うのか〜

ここでは、食品開発技術者としての経験をもとに、増粘剤の効果を味づくり塾流で説明します。

大きくは、増粘剤の効果
・とろみを増すことができる
・ざらつきが改善できる

ここで、粉末飲料を飲む流れで説明します。

担当者

我が社が開発中の商品、粉末飲料の「粉」を水にちゃんと溶かして飲んだはずなのに、「ざらつき」を感じる

味づくり塾

その原因は、粒の粗い粉末が原因として考えられます。
液体に溶けきれていない粒の粗い粉末は、口の中を刺激して「ざらつき」を感じることが理由です。

担当者

飲みやすくするには、どうしたらいいんでしょうか?

味づくり塾

増粘剤を配合することで飲料全体にとろみがつきます。とろみがあることで、ざらつきのある粉末がコーティングされるイメージです。
コーティングされるとざらつき全体がまとまります。
そうすることで口当たり(ざらつき)が改善されます。

担当者

増粘剤を使うことで、とろみがつき飲みやすくなるんですね!

増粘剤の種類:キサンタンガムとグァーガムを事例に

増粘安定剤には、約60種類(一般飲食物添加物を含めると約70種類)があります(参考文献:食品添加物表示ポケットブック)。
ここでは、粉末飲料で利用する増粘剤で、代表的な2つ(キサンタンガムとグァーガム)を取り上げます。
なぜ、この2つを挙げたかは、味づくり塾の経験上です。
理由として、上記2つの素材は粉末飲料に使用する際に増粘剤として利用しやすいことが挙げられます。

その特徴を下記、表にまとめます。

表.キサンタンガムとグァーガムの比較
素材の種類キサンタンガムグァーガム
素材の形態(剤型)粉末粉末
配合食品ドレッシング、飲料類飲料類、ソース、アイスクリーム
由来微生物から産出グァー豆の種子から抽出される天然の多糖類
使用感・冷水可溶タイプ有り
・ドレッシングを使う時のように振る動作でとろみが弱まり、放置しておくと粘度が維持される性質を持つ
・冷水可溶タイプ有り
・糸を引くような粘度の現れ方をする。
イメージドレッシング以外にも化粧品にも使用されることもある、比較的に認知がある豆由来で、イメージも良いが併用して使われることも多いので単体でのイメージは少ないかもしれない

表について、補足説明します。
<キサンタンガムについて>
・使用感は、ドレッシングのように振って使う場合には粘度が低くなる
・振って時間がたつと、再び粘度が再発、維持される
・冷水可溶タイプがある(冷たい水で溶かして飲む商品で設計には配合しやすい)

<グァーガム>
・グァー豆と呼ばれる豆由来の天然の多糖類原料
・使用感は、糸を引くような粘度の発現をする
・冷水可溶タイプがある(冷たい水で溶かして飲む商品で設計には配合しやすい)

増粘剤の選び方:キサンタンガムとグァーガムどちら?

どの増粘剤を利用するかは、飲料をどのような口当たりにしたいのか、によります。
味づくり塾流に説明すると、
増粘剤単体について
・キサンタンガムの方が比較的に粘度発現をしても口あたりは軽い印象
・グァーガムは口当たりが重く、飲みごたえのある印象
複数の増粘剤の組み合わせ
・増粘剤は2種類以上を組み合わせて使用し、相乗効果を狙うこともあります。
「増粘多糖類」と表示がされている商品は2種類以上使用しています。

なお、注意点として、粉末飲料の場合、飲むシーン(どのようにして飲むか)と使用する増粘剤の種類の組み合わせが重要です。増粘剤のキサンタンガムとグァーガムには、どちらも「冷水可溶タイプ」があります。この素材としての指定がない場合、冷水で溶けにくいという場合があります。増粘剤を使用しているものの、飲みやすさが変わらない場合、この冷水可溶タイプかどうかという視点が原料選定時には重要であり、注意するポイントです。

※実際の商品を設計する際には、原料の価格や、複数の材料との組み合わせ等を考慮します。
原料の価格については、取引先や取り扱う数量などでも変動するため、ここでは割愛しました。

味づくり塾流・これからの健康食品・粉末飲料開発のヒント

味づくり塾が考える、これからの健康食品・粉末飲料開発のヒントを挙げます。

「口あたりのよさ」=「飲みやすさ」を両立させる商品設計
・増粘剤を配合することで、飲料(商品)を飲んだ時のざらつきを改善し、飲みやすさにつながります。

ユーザーの具体的なシーンを想定した原料選定
・ユーザーがどのようなシーンで飲むか具体的に想像し、商品を設計することが重要です。
増粘剤には、冷水可溶タイプ、液体が酸性でないと粘度が発現しない、加温が必要なタイプなど様々なタイプがあり、使用する原料に注意することがポイントです。

お客様がイメージする味を、商品としてまとめる
・これまで、飲みやすさを重視して、増粘剤の使用することをおすすめしました。増粘剤自体には、味がないですが、その他の素材の味が感じづらくなる(味がぼやけた感じがする)効果があります。使用する素材そのものだけでなく、全体の目標とする味と、使用する原料との組み合わせで、全体の味をととのえていき、お客様のイメージする味につかづけていくことが商品開発では大切な視点です。

まとめ

本記事では、粉末飲料の「ざらつき」や「むせ」といった問題を解決するための食品添加物「増粘剤」について説明しました。
具体的には、
・増粘剤の概要、使用目的、選び方をまとめました。
・具体例として、増粘剤を使用することで、飲料全体にとろみをつけ、粉末をコーティングして口当たりを改善することをまとめました
・粉末飲料に利用する増粘剤の具体的な種類として、キサンタンガムとグァーガムについて説明、ちがいや選び方をまとめました
・味づくり塾流・健康食品・粉末飲料開発のヒントをまとめました

最後に


最後までご覧いただき、ありがとうございました。
本記事では、粉末飲料の飲みやすさについて、説明しました。
粉末飲料の商品の多くは、複数の原材料を混ぜ合わせて、できあがります。
今回は、食品添加物「増粘剤」について、説明しました。
複数の原材料を混ぜ合わせる際、どう全体をまとめあげるのか、むずかしいところでもあり、技術者としての腕の見せ所でもあります。
味づくり塾の私は、粉末飲料を中心に商品開発実績がある食品技術者です。
特に粉末飲料の味づくりについて、味づくり塾は、販売者様、開発ご担当者さまから、評価をいただいております。
お客さまのイメージする商品の味づくりのお手伝いをしています。
商品開発で、お悩みがありましたら、お気軽にご相談ください。
ありがとうございます!

担当者

食品開発のモヤモヤを誰に相談したらいいか、わからない…

味づくり塾

そのモヤモヤ、味づくり塾にご相談ください!
まずは、モヤモヤを見える化、言語化しましょう!


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この記事を書いた人

粉末飲料を中心とした健康食品100品以上の商品開発実績がある食品技術者。
人材育成歴10年超。健康食品のおいしい味づくりをサポート中。

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